「LIGHT GRENADES」INCUBUS

ライト・グレネイズ

ライト・グレネイズ

このアルバムからINCUBUSを聴いた人は
彼等がバリバリのミクスチャーバンドだったとは想像もつくまい。
あくまで個人的な意見だけどINCUBUSの最高傑作は
現時点において3枚目の「morning view」だと思う。
彼等はこれでミクスチャーアルバムの一つの到達点に達した。
そして次のアルバム「a crow left of the murder」で
INCUBUSは大胆な革命に打って出る。
ターンテーブルを担当する
Chiris Kilmoreがスクラッチプレイに代わり
マニュピレーター等を使用して
曲の空間を演出するようになったのである。
曲も唄やメロディを重視した内容でこの変換には正直驚いた。
そのせいか前作は凄くBANDに対して違和感を感じたけど
今回のアルバムを聴いてこの方向性でも良いのかもと確信した。
なんせ曲が断然に良いのだ。
今回のアルバムは1曲1曲かなり作り込んである。
印象的なのを挙げるなら3曲目の「Dig」と
4曲目の「Anna Molly」の2曲。
「Dig」はギターメロディが凄く感情的で響いてくる。
「Anna Molly」も情熱的なギターにBrandon BoysのVoが
伸びやかでサビの展開は実に印象的である。
もちろんそれだけでもなく
INCUBUS特有のスピードナンバーを持つ曲もあり
基本的なバンドサウンドは従来のままである。
唯一違うとすればやはりKilmoreの幅広い表現ぶり。
ハモンドオルガン、ムーグシンセサイザーテルミンまで
多種多彩な楽器で楽曲に色取りを添えていく。
もはやミクスチャーバンドと呼ばれるのは過去の話。
INCUBUSは完全なるROCK BANDである。