「THE BLACK PARADE」MY CHEMICAL ROMANCE

前から凄い凄いとは聴いていたけど
いざ聴いてみたらやっぱり凄かった。
なんて。
2006年最後にして最重要的一枚の日本盤を
待って待って待ちつづけてようやく手にした。
ニュージャージー出身の5人組
MY CHEMICAL ROMANCE
一昨年に2nd Album
「Three Cheers for Sweet Revenge」で
国内デビューを果たしフロントマンGerard Wayの熱すぎるVoは
「激情」という言葉を見事に表現しており
BANDはEMOTIONAL ROCKの最前翼として注目を浴びてきた。
その彼等が新作で大きく取り上げたのが「死」。
大抵このコンセプトを取り上げるBANDといえば
DEATH METALやBLACK METALのBANDが主流になるのだが
彼等はそれをROCKでさらに独特の解釈

死はTHE BLACK PARADEの形になって訪れる
By.Gerard Way

に基づいて表現している。
それを聞くとなんか宗教的に感じてしまい
彼等をディスったあるBANDのメンバーみたいに
“死を助長してるんじゃないの?”って思うかもしれないけど
それは間違っていて
ここに描かれている「死の解釈」は
死んだ本人じゃなくて生きている人間が
「死」を見て自らの中に思い描いたことだったりする。
それにしても「THE BLACK PARADE」
って実に前向きな考え方だ。
一方で「愛する人を失った現実」を
受け入れることが出来ない後ろめたさもある。
その両面をMY CHEMICAL ROMANCE
楽曲の中で交互に巧みに表現している。
そして絶望を乗り越えて生きろ!!!
なんて「裏」のメッセージも含まれている。
BANDの一体感も前作以上の一体感を持ち
時折METALを思わせるギターワークも魅せている。
個人的にはDrum(Bob Brayer)の
我武者羅だけど隙の無い叩きっぷりに注目。
さらに今回はアートワークもかなり凝っており
ブックレットに描かれたアニメチックな“パレード”のイラスト。
サーカスを思わせるマーチング団に囲まれたメンバー写真。
圧巻はやはりシングル曲
「WELCOME TO THE BLACK PARADE」。
この曲はプロモ映像を見ながら聴いているうちに
正直心に込み上げてくるものがあった。
人は「死」をどう受けとめるかで生き方も変わる。
「THE BLACK PAKADE」の「死」は明るく、そして美しい。