「eVeR-ARCh-I-teCh-tuRe」AXAMENTA

AXAMENTA

INTELLECTUAL DARK METAL
アルバムの発売元である
SOUNDHOLICの神山氏が
このBANDのジャンルをこう記している。
「intellectual」とは「知的」を表す形容詞であり
つまり「知的で暗黒なMETAL」ということである。
って一見何のこっちゃよく分からない宣伝文句だが
変わり者好きの自分は神山氏の策略にまんまとハマり(笑)、
CDショップで探しまくって今このアルバムを手にしている。
しかし、いざ中身を開いてみると
神山氏の言ってることは見事に当てはまっていた。
簡単に言えばプログレ系統のBLACK METALなのだが
このアルバムに込められたテーマが
実にスケールがデカく奥深くそして、難解なのである。
以下はBANDのメンバーの一人(Sven Deckers:Gt担当)が
SOUNDHOLICレーベルのインタビューから抜粋した
アルバムのコンセプトに関してのコメントである。

これはウィリアム・ブレイクという男についての物語だ。
ある晩、彼はロンドンの道を狂い叫びながら走っている。
彼は世界の建築物に隠された真実、破滅の理論を発見した
と主張するけれど、警察に捕まって精神病棟に入れられて
しまう。ウィリアムの妹のオードリーが兄を訪ね、その狂った
物語を聞く。オードリーは兄のために真実を探し始め、
やがて兄の言った事を否定できなくなっていく・・・。

これを読んで理解した人はどれくらいだろうか?
正直、自分も理解できたという自身は無に等しい。
さらに難解なことにこのアルバムは3部構成になっており
その時間軸もバラバラになっているのである。
よってこのアルバムの世界を詳しく知りたい人は
アルバムの解説文をよ〜〜〜く読むことをお勧めする。
ただそれでも分かりにくいかもしれない。
まあつまり平たく言えば
ダヴィンチ・コードの建築物版ということだ(←???)。
と、このようにアルバムのテーマは文字にすると凄く複雑である。
しかし「音」を実際に聴いてみると不思議なことに
アルバムに込められた世界観がなんとなく分かってくる。
序盤から悲劇を予感させる壮大な旋律が流れ出し
中盤でそれは一気に崩壊をきざし、やがて悲劇的な結末を奏でる。
そして後半でまた壮大で悲観的な旋律に戻ってくる。
まさに「破滅の協奏曲」そのものである。
AXAMENTAはベルギー発の5人組。
ベルギーのMETALといってもいまいちピンと来ないが
かなりBLACK METALに影響を受けたSOUNDである。
前半部分の曲はほとんどBLACK METALになっており
ダミ声と咆哮を繰り返しながら破滅的な暴走を繰り広げる。
特にキーボードが世界観を表現するのに重要な存在になっている。
かと思えば中盤になるとメロデスプログレを思わせる
繊細で甘美な曲を繰り出す辺りに音楽の幅広さを感じる。
しかし何よりもドラムの凄まじさが圧巻。
Jeroen Vingerhoedのパワーを剥き出しにしたドラミングと
壮絶なブラストビートにはただ脱帽である。
一見、BANDの仕掛けたコンセプトに頭が揺らぎそうになるが
やはり本質は音楽そのものになるということ再認識させられた。
考えるより、感じろ。

エヴァー・アーキテクチャー

エヴァー・アーキテクチャー