「ALPHABET PRISON」pleymo

フランスのROCKってあまり聞きなれない。
それはフランス語独特の口調が理由かもしれない。
だけどフランスのMIXTUREはなぜか多い。
それもやはりフランス語独特の口調が理由かもしれない。
あのホワンとしたイントネーションが
ブレイクビーツにピッタリ会うからである。
日本でも去年辺りからフランス産のMIXTUREが
地道に音楽マーケットへと進出している。
知ってるBAND名を挙げるなら
WATCHAFoldermasnada
Freedom For King Kong等がある。
しかしながらそのジャンルの存在を日本に魅せつけ
現在でもその頂点に君臨する存在にあるBANDはこれであろう。
パリ出身の6人組、pleymoである。
pleymoが日本で名を知られるようになったのは
2002年に発売した「Episode 2: Medecine Cake」
当時はコッテコテのHEAVY MIXTURE ROCKで
フランス産Limp Bizkitなんて呼ばれていた。
が、その翌年の2003年に出た「Rock」で彼等は大化けする。
エモーショナルなギターやメロディアスなヴォーカルを取り入れて
HipHop+HEAVY ROCK」の定義を逸脱して
“叙情的で感情的なMIXTURE ROCK”と化したのである。
あれから3年の月日が流れ
しばらく名前を聞いてなかったら一時はどうなったのかと思ったが
(VoのMarkは麻生久美子が出た
 シャンプーのCMでRapブチかましてたけど)
ここでついに彼等の新作を手にすることができた。
彼等が日本のアニメ好きであることは有名で
これまでは2D→3DとVoのMarkの描いた
アニメーションを使ったジャケットだったが
今回は初めて実写の画像を使用。
さらにMark自身が制作した長編[Helmet Boy]を軸に
組み上げたアートワークになっており
またこのSTORYに添った楽曲も収録されている。
その物語はごく普通の少年が不良グループの一員に加わり
社会の闇の中へと落ちてやがて破滅の道を辿るという話。
よって今回のアルバムは前作以上に
ネガティヴでエモーショナルで怒りに満ちていて
それでも前にひたすら突き進んで行く
闘争本能に満ちた楽曲で笑め尽くされているのである。
ノイズとメロディが絡み合うギターサウンド
DEFTONESを思わせており
彼等に一歩近づいている印象を受ける。
ちなみにタイトルの「ALPHABET PRISON」とは
[Helmet Boy]に出てくる不良グループの名前であるが
「言葉の刑務所」というネーミングも凄まじいものがある。
破滅的で攻撃的でいながら繊細で眩い。
「心の壁」に問い掛ける
現時点でpleymoの最高傑作。
HEAVY ROCKはまだ死んでない。