「green chord」ACIDMAN

green chord(初回生産限定盤)

green chord(初回生産限定盤)

ACIDMANは「美」に優れたBANDだと思う。
それは表面から内面まで全てにおいての「美」に優れている。
すなわち「美のROCK」である。
1st Album「創」からBANDは「美のROCK」を追求してきた。
それは衝動的な「美」から空間的な「美」まで様々で
どれも素晴らしいほどの完成度を誇っている。
ひたすら繊細なVoが響き渡るのと同時に
張り詰めたノイズのGtと自由なリズムラインが融合して
強烈無比だが心に強く響かせるSOUNDが印象的だった。
だがこのアルバムは今までとは明らかに違う。
通算5枚目のアルバムにして彼等は新たなる境地に挑んだ。
衝動的・爆発的な演奏はほぼ抜きにして
じっくりと心に染み渡る「美」の音楽にこだわっている。
後半になるとアップテンポな曲も出てくるが
全体に渡ってほぼスローでドラマチックな曲で構成されている。
結果インパクトな部分は減ってしまったが
その分Vo(大木伸夫)が以前より増して響くようになった。
特にアルバムの最後を占める10分の長編曲「toward」は
ドラマチックな展開と透き通ったVoにひたすら引き込まれる。
アートワークや演奏の濃さで言えば前作の「and world」に劣るが
新たな一面が垣間見えるという点では評価できる1枚。
静かにじっくりと響き渡る。