「ITHYPHALLIC」NILE

イシファリック

イシファリック

壮大でかつ暴虐。
それがNILEの放つDEATH METALの世界だ。
古代エジプト王朝。それはまさに支配の象徴。
強者が弱者を支配し弱者は強者に仕える支配の世界。
それを思わせる寛大なるホーンの調べ。
それに対するアンチテーゼの如く放たれるブルータルデス。
この対局なる2つの音の組み合わせが
NILEのDEATH METALをより強固なる存在へと成り立たせる。
独自の角度から攻めるブルデスの異端児だ。
今作もその作風は変わることは無いが
これまでエジプト型オーケストラとブルデスの間に
極端に対称的であるが故に生じる違和感がよく現れていたが
なぜか今作に限ってはそれほど感じられない。
攻撃的なDEATH METALと雄大なホーンセクションが
見事に組み合わさり独自のブルータリティを築き挙げている。
演奏もまた強力でKarl SandersとDalas Toler-Wadeの
強力無比なツインギターバトルはもちろん
前作から加入し歴代最強とも言われるGeorge KollIasの
鉄骨粉砕狂気乱舞といったブラスト祭りもヤバい。
異色でありながらその本質は王道。
ブルデスはやはり渋いな。