「an ocean between us」AS I LAY DYING

アン・オーシャン・ビトウィーン・アス

アン・オーシャン・ビトウィーン・アス

2007年現在、HEAVY METALの細分化は続いているが
もしも今の時代の最先端を行くMETALは何かと聞かれたら
胸を張ってこのアルバムを奨めることができるだろう。
それほどにAS I LAY DYING(以下AILD)の放つ音は
現代のMETALのあらゆる良質な部分に満ちている。
AILDが日本でその名を轟かせたのは
ちょうどMETAL COREが軌道に乗り始めた時期であり
アルバム「frail words collapse」は音が荒い一方で
キャッチーな曲とツインGtの暴れっぷり、
そしてVoの芯から来る絶叫で存在感を放った。
続く「Shadows Are Security」で音の悪さを改善して
正攻法なるMETAL COREで一気に表舞台に駆け上がった。
METAL界きっての若武者的存在のAILDが放つ新作は
同じくMETAL CORE界の風雲児KILLSWITCH ENGAGE
お笑い番長名クリエイターAdam Dutkiewiczプロデュース!
現代METAL界の最強タッグがここに実現した。
そういうわけで以前のAILD独特の
狂暴かつ繊細なMETALにAdamの手腕が加わり
MELODIC DEATH + DEATHRASH + METAL CORE
と言ってしまうほど多彩な内容のアルバムになった。
それにしてもこれはもう正直良い意味で、ズルい。
冒頭に(Adam流必殺の)ツインGtの美メロから始まり
狂悪なTHRASHリフに狂暴なブラストビート、美麗なGtソロ、
邪悪な咆哮に透明感のあるメロディックVoといった具合に
様々なMETALの良い部分が全て含まれているのだ。
以前はやや力不足に思われたメロディックVoも
メンバーが交代してより高く透き通った声になった。
最大の衝撃はやはりGtだろう。
リフはもちろんソロにおいても速さと上手さは絶大。
まさに恐いもん知らず。だからズルいのだ。
世の中、様々なHEAVY METALが数多く存在するが
これが現在最も勢いのあるHEAVY METALだ。