「ONE NATION UNDERGROUND」ILL NINO

「ONE NATION UNDERGROUND」ILL NINO

ラテンやフラメンコといったブラジル音楽に
重厚なるHEAVY ROCKを加えて轟かす
パーカッションを含めた6人編成のバンド
ILL NINOも3枚目である。
偶然(←?)にもSOULFLYの新作と同じ時期に発売されたため
奇しくも同じ系統のバンドが並ぶ形になったが
両バンド共にはっきりとした違いの色を魅せつけている。
とは言ってもVoのスタイルが全く違うから曲もそうなったりする。
Cristian Machado は怪物のような咆哮もさることながら
透き通るような声で歌い上げる実力派シンガーである。
今回のアルバムも彼のVoが実に良く活かされている。
そしてサウンドはこれまでの2作以上にHEAVYな一面を出している。
しかしながらラテンの要素を上手く取り入れており
強暴なスラッシュから哀愁のあるメロディックサウンドまで
違和感も無く凝縮された1枚となった。
フラメンコギターやラテンパーカッションも
無くてはならない存在となり
今作でバンドの個性や特徴を完全に確立したと言える。
期待通りの出来を持ったと言えるのだが、
一方ではそれがマンネリ化しつつある危うさも多少見えてくる。
しかしながらバンドがノリにノッているのもまた事実。
次のアルバムでどのように“強化”していくのか。
できれば1枚目を聴いたときのような衝撃を!!!
 
妹に先越される春。