「The Undying Darkness」CALIBAN

ジ・アンダイイング・ダークネス

ジ・アンダイイング・ダークネス

キュピーン
(By.うすた京介
というジャケットネタは置いといて
ドイツのMETAL CORE BANDの風雲児
CALIBANの新作がついに出た。
このバンドの魅力は何と言っても
フロントマンのAndy Dornerの凄まじくブチ切れたVoである。
数あるスクリーム系のVoの中でも
これほどインパクトの強いものは少ない。
むしろBLACK METALのVoと思ってしまうほどのキレっぷり。
最近になってゴスメイクのようなビジュアルと化し
ますます不気味さに拍車をかけているほどだ。
そんな彼も3rd ALBUM「shadow hearts」(←これも名盤)
になってメロディックVoに挑戦してきた。
だが強烈なスクリームとは対称的になんか微妙なVoであった。
それからレーベルを移籍して
新たに「THE OPPOSITE FROM WITHIN」
というアルバムを出したが何とそこでは
Voのメロディックパートが格段にレベルが上がっていたのだ。
あまりにもの上達ぶりにEat magazineのライターである
星川絵里子嬢もライナーノーツで褒めちぎっていた。
しかしこの話にはオチがあって
実はメロディックパートを歌っていたのは
ギターの片割れであるDenis Schmidtであり
Andyは「頑張ってみたけど駄目でした
とメロディックパートを諦めていたのだった(笑)。
・・・という一部始終が今回のライナーノーツに書かれており
かなり笑える内容になっているが自分も騙された一人である。
しかし逆にホッとしている。
もしもAndyがメロディックVoに目覚めていたなら
CALIBANの最大の特徴である
彼のスクリームVoが少なくなってしまう。
事実、前作はメロディックなパートが印象に残ってしまい
インパクトに欠けてしまった傾向がある。
しかし今回は違う。
スクリームVoに専念して完全にスッキリしたのか
全編に渡って彼のブチ切れっぷりが最大限に発揮されている。
曲のクオリティも非常に高く
スラッシュリフとメロディアスなサビの掛け合いの上手さは
IN FLAMESを思わせるほどだ。
それもそのはずプロデューサーが
IN FLAMESのVoであるAnders Fridenなのだから。
個人的にはもう少し変則的な曲もやって欲しいところだが
久しぶりにこのBANDの良さを実感したアルバムだった。