「Missing」ART-SCHOOL

Missing(初回限定盤)(DVD付)

Missing(初回限定盤)(DVD付)

ギラついている。
それもかなり鋭く。
ART-SCHOOLの1st Album
Requiem for Innocence」の音を
初めて耳にした時
あのギラついた衝撃に呆然としたのを覚えている。
このアルバムはまさにその時の感覚を髣髴させる。
それもそのはず。
今回は最新の音源2曲に加えて
メンバーチェンジしたばかりの頃に
インディーズで出した2枚のミニアルバム
スカーレット」「LOST IN THE AIR
の2枚の音源を再リマスタリングして収録した1枚である。
この2枚の音源が歌詞・曲も含めて全てが刺々しいのだ。
それはまさにバンドの状態がかなり
切羽詰まっている状況だったことが嫌でも分かる。
バンドの要である木下理樹は精神状態が穏やかなときは
心に響かせるほど繊細なメロディを奏でているのだが
追い詰められたときはドン底まで落ちるかのごとく
ノイズと衝動に満ち溢れた曲を放っている。
今作ではミニアルバムの両タイトル曲もかなり強烈だが
アルバム12曲目の「羽根」が最も凄まじい。

小三で 小三で終わった
羽根なんて 羽なんて腐った

ここまで絶望に包まれた詞が存在するのだろうか。
自分の思ったことをストレートにさらけ出して
真正面からぶつける。
それが木下理樹の良い意味で凄いところである。
そしてこのアルバムは
過去の現在のバンドの姿を写し出すことにより
バンドの変化と成長を感じ取れることができる。
新曲でアルバム1曲目の「Missing」は
衝動的な曲調はそのままだが
バンドの清々しく一体感の取れた演奏が聞き取れる。
特にこの後バンドの中で重要な存在となる
戸高賢史のギターサウンドには要注目である。
過去のもやもやした、刺々しかった日々。
その日々を経てバンドはようやく
自分達の居場所を見つけることができたのである。
殻を脱ぎ捨て再び空に舞う。
 
 
 
本当ど〜でもいいんだけど"らいらいお"って何?