「HOLY MURDER MASQUERADE」IMPIOUS

ホーリー・マーダー・マスカレード

ホーリー・マーダー・マスカレード

“狂宴”という名の暴走METAL!
スウェーデン発のDEATHRASH METAL、IMPIOUS
何気に自分の中ではカルトな存在となりつつあるこのBAND。
彼等の音楽こそ「DEATHRASH」という名に相応しい。
日本デビューとなった前作「HELLUCINATE」は強烈な1枚だった。
1曲目からテンションまっしぐらのTHRASH SOUNDで
同時に放たれる邪悪な咆哮も引けを取らないほどインパクト大。
ラストの曲を除けばDEATHRASHでほぼ生め尽くされ
この手が好きな人には持って来いのアルバムだったと思う。
あるから2年。彼等はまたしても強烈な新作を繰り出した。
今回はアルバム全体通してのコンセプトアルバム。
キリストの仮面を被った男が無差別殺人を繰り広げるという
DEATH METALに持って来いのストーリーを
アルバムのブックレットにコミックとして描かれており
(これがまたリアルで残酷テイストバリバリだが)
SOUNDとVISUALの両面で楽しめる1枚である。
しかしダークでドラマチックな世界観でありながら
音はあくまでもDEATHRASH METAL!!!
冒頭の神に祈る台詞でさえもDEATH VOICE!!!
しかし彼等は、いや、彼等だからそれで良いのである。
Gtは叫ぶように、また哀愁を帯びるように鳴り響き
Drは狂うかの如く疾走し、中盤では重いブラストをブチかます
だけどアルバムの世界観は崩れることがない。
デスメタルと猟奇的なサスペンスという2つの素材が
見事にハマっているからこそできる代物である。
(ちなみに日本盤のボートラもしっかり組み込んでいる)
新しい部分に取り組む傍ら、決して方向性捻じ曲げない
彼らの音楽に対するスタンスには感服するばかりである。
ただやっぱ「この手の音が好きな人」にしか
お勧めできなかったりして。