「Versions」POISON THE WELL

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POISON THE WELLというBANDの存在を初めて知ったのは
前回のアルバム「You Come Before You」が出た
2003年の夏から秋にかけての時期だった。
あの頃はTHURSDAYTHRICE
FROM AUTUMN TO ASHES
METALを取り入れたEMO、SCREAMO勢が音楽シーンに現れ
このPOISON THE WELLもその一環だと思っていた。
しかし彼等は生粋のHARD CORE BANDだった。
3年もの歳月を経て遂に出たこのアルバムを聴くことで証明される。
フロリダから5人組でデビューして前作発売後
メンバー脱退やレーベル移籍でゴタゴタが続き
現在はVo,Gt,Drの3人にヘルプを入れた編成となっている。
その数々の面倒な鬱憤をはらすかの如く狂気に満ちて
一方で何かを悟ったかのように重く深い浸透にも入っている。
バリバリのHARD COREから始まったかと思えば
2曲目は叙情的な音からカオスに満ちた轟音を鳴らし
3曲目になるとDOOMを思わせるROCK SOUNDを奏でるのだ。
Voもこれまた巧みで激しいシャウトから
透き通った歌声まで曲によって色々な魅力を放つ。
「HARD CORE」とは一軒単純そうに見えて
実は数々の“色”を持っている音楽のジャンル。
それを逆手にとって様々な個性を持った「HARD CORE」を
目まぐるしくやってみせたのが本作である。
しかしながらどの曲も妙に鋭さを感じる。
これもBANDの個性がなせる技かもしれない。
これが「HARD CORE」の次なる形だ。