「Inspiration is DEAD」凛として時雨
- アーティスト: 凛として時雨
- 出版社/メーカー: 中野Records
- 発売日: 2007/08/22
- メディア: CD
- 購入: 8人 クリック: 160回
- この商品を含むブログ (122件) を見る
2007年は9mm Parabellum Bullet、ミドリ、
チョモランマトマト、the brown等
数々の衝動的な音楽性の邦楽BANDが出てきたが
その真打というか“最狂型”とも言うべき1枚が出た。
最重要衝撃BAND、凛として時雨の新作だ。
凛として時雨は去年「Feeling your UFO」でも述べたが
人間的にも感情的にも凄まじすぎる演奏と同時に
甲高く強烈な男性Voと透き通った女性Voが叫びの応酬をする
邦楽ROCK界に先天の一撃を与えたBANDである。
そんな彼等の想像を絶する攻撃型ROCKは健在であり
冒頭から体が震え出すような音の洪水が舞い降りる。
今回は何よりピエール中野氏の猛攻なドラミングが凄い。
鋭利な叩きっぷりで一気に攻めまくるスタイルのドラマーは
これまでNUMBER GIRLの
アヒトイナザワ氏が最強だと思っていたが
自分の中では完全にさらに上を行く勢いだ。
もちろんDrのみならず演奏の息の良さは驚くほどで
とことんカオスと化したノイズがパッと止んだ直後に
静寂の中で流れ出すGtのメロディはもう鳥肌モノだ。
さらに曲の全てがカオスというわけでもなく
中盤にある「am3:45」では
プログレを思わせるほど深く精神的な音の風景が現れ
やがてそれが混沌へと流れ出す音による描写が描かれる。
そしてラストの「夕景の記憶」では
打って変わってゆっくりとメロディと唄が鳴り響き
壮大で壮絶なラストへと向かって行く仕上がりにある。
静寂・破壊・混沌、それらの感情が
たった3人の演奏によって見事に表現され
緊張感と絶望感、そして絶頂感を同時に得る狂気のROCK。
人はここまで壊れるのか。