「SATURDAY NIGHT WRIST」DEFTONES

不思議なバンドである。
最初に聴いたDEFTONESのアルバムは「white pony」だった。
HEAVY ROCKであるにも関わらず絶叫とかほとんど無く
重低音よりも浮遊感が充満している音にかなり困惑した。
しかしそれこそが彼等の本質だったりする。
Chino MorenoはKORNのJonathan Davisと
同じ領域にいながら違った個性を持つVoだと思う。
彼のシャウトもあらゆるクソっタレな物を
感情のなすがままに吐き出すような印象を受ける。
そして何よりもこの独特の浮遊感である。
サンプラー奏者のFrank Delgadoが放つサンプリングは
重いバンド演奏の中に紛れて一際異彩を輝かせている。
そしてバンドサウンドに強烈な「美」を与えている。
まさかこんなにも“美しい”HEAVY ROCKが存在するとは。
なんて。
とにもかくにも不思議なBANDだ。
そして前作deftonesから約3年ぶりに出た
彼等の新作「SATURDAY NIGHT WRIST」
今回もChinoのVoは唄い込んでおり
バンドの中にある「美」を一層際立たせている。
にも関わらず何かドス暗い雰囲気を感じさせるのは
BANDが新作に至るまでに生じた不協和音のせいなのだろうか。
絶望の果てに掴み取った未来。
これは人の心の中に潜む「闇」を垣間見た音の世界である。
ドス黒くて綺麗な。
 
 
 
最近見て深く感動した映画。
エリ・エリ・レマ・サバクタニ 通常版 [DVD]

エリ・エリ・レマ・サバクタニ 通常版 [DVD]

心に悩みや不安を抱え持つ人はぜひ見て欲しい。
浅野忠信が奏でる壮絶な轟音が心の闇にメスを入れる。
「自殺するか、しないか」が問題じゃない。
「どう生きるか」なんだ。