「TERVASKANTO」KORPIKLAANI
- アーティスト: KORPIKLAANI
- 出版社/メーカー: HOWLING BULL
- 発売日: 2007/06/06
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
小屋から突然現れるバイオリンを持った落武者風の男。
廃墟みたいな場所でBANDが演奏する中で
一人片手に棒を持ってヤケクソの如く太鼓を叩いている。
落武者風の男はバイオリンをなぜか腰に構えて
マイペースに揺れながら弾いている。
終盤になるとメンバーが野外で飲み食いを始める。
そしてなぜか取っ組み合いに発展して
わざとらしいプロレスごっこのようになるのであった。
これが知る人ぞ知る伝説のPV
KOLPIKLAANI(以下コルピ)の「WOODEN PINTS」
(邦題「酒場で格闘ドンジャラホイ」)の内容である。
このPVで彼等は一気にMETAL界にその名を轟かせるが
自分が気に入ったのは何よりもコルピの放つ音そのものである。
ヴァイキングメタル。
それはフィンランドを中心に反映している
伝統民族音楽とHEAVY METALを組み合わせた音楽である。
重厚なMETAL SOUNDと自然を髣髴させる民族音楽の融合は
格式美なMETALとは別の意味で新鮮味が感じられる。
特に重要なのがバイオリンとアコーディオンで
この2種の楽器が奏でるハーモニーこそがヴァイキングなのだ。
コルピもまたそれが際立っており
豪速なTHRASH METALに沿って流れるバイオリンの早弾きが
そんなコルピの最新作であるが冗談抜きで凄い。
コルピ特有の森と大地を連想させるメロディは健在。
特にアコーディオンが前面において存在感を増しており
落ち武者ことHittavainen*1のバイオリンと
見事なフォークサウンドを魅せつけている。
注目は2曲目「Tervaskanto」(邦題「コルピと古の黒き賢者」)で
勢いのあるSPEED METALと共に颯爽とリコーダーが流れ
なぜか中華を思わせるサビのコーラスと合わせて
まさにコルピにしか出来ない独自のMETALを賑わせている。
時折メランコリックな曲もあるが全体的にテンションが高い。
担当A&Rの神山氏が今作品を
「祭メタル」と名付けた*2のも納得がいく。
そう。これぞMETAL史上最大級の「祭り」なのだ。
おまけ「TERVASKANTO」こと
「コルピと古の黒き賢者」のブッ飛んだ邦題