気の短い男

夕方の出来事。
帰郷した妹と買い物に行ったお母。
買い物を終えたお母はなぜか公衆電話で家に電話をかける。
家にいたのは我輩と親父だったが
親父は自分の部屋におり電話機の近くにいた我輩が出る。
母は親父に代われと言ったのだが
家から出るのが面倒な親父は用件は何か聞けと我輩に言う。
お母の用件は車で買い物先まで迎えに来てという。
そして親父は2人を迎えに行って我輩は一人家に留守番。
すると急に家の電話が鳴り出る我輩。かけたのは妹。
どうやら母と妹の携帯の電源が切れて親父と連絡つかず
親父の携帯の番号を知らない妹は公衆電話で掛けて
我輩から親父の番号を聞き出そうとしていたのだ。
なにせお母と妹の買い物先が結構広かったので
なかなか親父と会うことができないらしい。
(そもそも最初の母からの電話に親父が出なかったのが悪い)
ところが我輩が丁度電話に出たのと同じタイミングで
我輩の携帯電話が鳴り出す。かけてきたのは親父。
お母と妹の待ち合わせ場所が分からない親父は
我輩からそれを聞き出そうと携帯にかけてきたらしい。
右の携帯電話からは親父のあーだこーだ言う声。
左の家の電話の受話器からは妹のギャーギャー言う声。
とうとうブチ切れた我輩は2つの受話器に向かって
「俺は聖徳太子
 じゃねえ!!!」
と叫んで家の電話の受話器を叩き切り
携帯の電話の電源を切ってソファーに叩きつけたのだった。
 
 
ちなみにその後妹は入り口付近で
ウロウロしていた親父を見つけ事無きを得たとさ。