「生命力」チャットモンチー

生命力

生命力

前作「耳鳴り」のレビューを見て改めて思い返すと
えっちゃん(橋本絵莉子)の衝撃が強すぎた感はある。
特に「恋愛スピリッツ」を聴いた時に感じた
感動と恐怖(←?)はある意味忘れられないものである。
その一方でこのチャットモンチーの2nd「生命力」では
以外とポジティブでROCK'N'ROLL溢れる印象がある。
というのもこのアルバムには他の2人のメンバー、
アッちゃん(福岡晃子)とクミコン(高橋久美子)の描く歌詞が
前作よりも引き立っているというのと
またえっちゃんの曲のバリエーションが増している、
この2つの要素がBANDをまた一歩成長させているのだ。
アッちゃんの歌詞は思っていることや考えていることが
周りよりも一歩進んでいるなと思う印象があり
(「とび魚のバタフライ」を除く←おい)
クミコンの歌詞はなんか凄く親しみやすい印象がある。
で、それに合わせるかのようにえっちゃん様々な曲を描く。
見事に心を掴んだキラーチューンの「シャングリラ」や
儚いROCKナンバーの「女子たちに明日はない」、
これでもかと甘いラブソング「バスロマンス」と多様だが
一番驚いたのは疾走するEMO ROCKの「真夜中遊園地」で
こういう曲も描けるんだと納得してしまうほど。
全体的にGIRLS ROCKの持ち出す魅力を存分に引き出し
等身大の女の子の青春が上手く現れている一枚だと思う。
でもやはりその中で強烈な存在感を放っているのが
えっちゃんが作詞をした「橙」と「ミカヅキ」で
特に「橙」の喪失感溢れるROCKナンバーには熱くなる。
こういう所に惹かれているんだな。